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【第1次】裁判レポートNO.4
「石神井まちづくり訴訟」の第4回口頭弁論が終わりました

2021年9月9日木曜日、霞が関の東京地方裁判所第703号法廷で「石神井まちづくり訴訟」の第4回

口頭弁論が行われました。コロナ感染が収まらず、ますます出かけるのがためらわれる中、今回も多くのサポーターズメンバーや支援者の方が詰めかけて下さいました。

ご参加くださったみなさん、ありがとうございました。
以下に、傍聴とその後の弁護団からの解説の内容を簡単にまとめています。

          

【第4回口頭弁論】 東京地方裁判所703号法廷にて
🔶11時30分開廷

裁判官入廷。
原告代理人弁護士から事前に提出された書面の確認が行われた。
提出書面は以下のとおり。
①    調査嘱託申立書
②    原告・準備書面(3)
③    原告・甲19
④    原告・証拠説明書


🔶原告代理人弁護士から「準備書面」の趣旨についての意見陳述が行われた。

●都市都市計画決定の違法性について
練馬区は正当であることの根拠として132号線の整備が進んだこと、商店会の話し合いが進展したこと、西武池袋線の立体化工事が完了したことを挙げているが、高さ制限を撤廃する地区計画変更の説明になっていない。また、「高さ限度を適用除外する趣旨からすれば限度を設けないほうがよい」とも主張するが、「除外する趣旨」がどこにも主張されておらず、意味が不明である。
●処分の蓋然性について
相当程度の蓋然性があり、これを否定することは、地権者の権利を守るために行われた平成16年の行政訴訟法の改正に反するものである。

 ※「原告・準備書面(3)」は、以下をご覧ください。

 

  

🔶裁判所より

本案前の争点(都市計画決定の処分性、設立認可処分の蓋然性、損害の重大性)について、原告・被告間で激しく争われているため、本案に入る前に、訴訟要件を満たしているかどうかについて次回判断を示したい。

次回、第5回口頭弁論(判決)は、11月18日(木)13時15分より703号法廷で行われます。
 

 

【弁護団からの解説】 

 

……裁判終了後、裁判の行われた703号法廷と同じフロアの別室で、弁護団から以下のような解説がありました。

🔶本日の裁判について

今日は大変重要な局面があった。私どもも事前に裁判所から何も聞かされておらず、裁判体の合議の結果として先ほど伝えられたところである。
どういう話だったかというと「本日弁論を終結したうえで、本案(違法かどうかの議論をきちんとする場)に入る前に、行政訴訟法上の訴訟要件があるのかないのかについて一度判断する」とのことである。
従来私たちが主張しているのは大きく分けて①練馬区に対する「都市計画決定処分の取消訴訟」②東京都に対する、今後予定されている「組合設立認可の処分の差止訴訟」の2点である。
①で論点となっているのは、「原告適格」と「処分性」と言われるもの。「処分性」に関しては、認められるのは簡単な事ではないが、本案前の要件の判断で重要になってくるのはこの点である。
②で論点となっているのは「原告適格」、「組合認可処分の蓋然性」、「損害の重大性」の3点。原告適格は地権者には認められると考えている。したがって、蓋然性・損害の重大性の2点がポイントとなる。
今日、裁判所からは「これらの争点に関して激しく争われているところなので、一度審理を終結したうえで、この点について判断したい。」との意向が突然示された。その結果、いずれの訴訟要件も満たしていると判断された場合は、その旨の中間判決が出て、本案(地区計画変更の違法性)の審理が続くことになる。他方、訴訟要件のうちいずれかを欠くとの判断が出た場合、次回の判決は終局判決となり、地方裁判所での審理は終結することになる。
したがって、次回の判決言い渡しは、非常に重要な局面となる。

🔶今後の見通し

以前の裁判体からは、東京都と練馬区に対し「本案について認否・反論するように」との指示があり、本案に対して議論をしようとの意向が示され、訴訟要件について前向きとの印象があった。しかし前回裁判長が交代し、新しい裁判体からは「本案に入る前に訴訟要件が成立するかどうかの判断をする」との意向が示された。弁護団としては、裁判の途中で訴訟要件のみについて判断を下すというケースは稀であり、裁判所がどういう意図のもとにこのような進行を考えたのかは現時点では正直測りかねている。
しかし裁判長の発言の最後に、「次回の判断において、全部認められるのか、全部認められないのか、あるいは一部認められるのかについて考えを示したい」とあり、ここからひとつ想定しうるのは、「地権者3人については原告適格が認められるので本案に入る、その他の原告については却下する」という判断。これは私たちが考えていた従前からの方向性と大きな相違はなく、むしろ争点が絞られることで審議の迅速化が図られる可能性もある。
一方、地権者を含めて訴訟要件がないと判断された場合は、地裁での裁判は終結。その後は高等裁判所へ控訴するか、または、組合設立認可の申請を待って改めて差止訴訟ないし取消訴訟を再度提起することが考えられる。いずれにしても、原告のみなさんと協議しながら、どのような場合にも対応できるように充分な準備をしていきたいと考える。
……最後に弁護団より
今日は突然の裁判長からの話で、傍聴されたみなさんも戸惑われたことと思います。
次回は大変重要な判決が出ます。みなさんもぜひご出席いただき、裁判所がどのような判決を下すか
一緒に聞いていただきたいと思います。                          

以上

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