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【第2次】裁判レポートNO.2
第2次「石神井まちづくり訴訟」の第2回口頭弁論が行われました

2022年12月20日火曜日、霞が関の東京地方裁判所第703号法廷で第2次「石神井まちづくり訴訟」の第2回口頭弁論が行われました。今回も多くのサポーターズメンバーや支援者の方が席を埋めてくださり、原告団、弁護団ともに力をいただきました。ありがとうございました。
この第2次訴訟の直接の被告は東京都ですが、主な争点は高さ制限変更の違法性であり、その前提となる高さ制限撤廃を含む地区計画変更の「都市計画決定」を行ったのは練馬区です。そのため練馬区に説明責任があるとして、「参加人(参加行政庁)」として練馬区の裁判への参加申し立てを裁判所に対し行い、それが認められました。前回第1回口頭弁論で、裁判所は練馬区に対し、今回都市計画決定を行って高さ制限を撤廃したことへの説明を求めていましたが、1週間前に練馬区からこれに答える「準備書面」が提出されました。しかし、高さ制限撤廃の理由についての説明がなされていないとし、原告弁護団は即刻、この点についての釈明を求める申立書を裁判所に提出しました。
 以下に、今回裁判の傍聴と、その後の弁護団からの解説の内容を簡単にまとめています。  

 

       

【第2回口頭弁論】  東京地方裁判所703号法廷にて
🔶15時30分開廷

裁判官入廷。まず原告と練馬区(参考人)から提出された書面の確認が行われた。提出書面は以下のとおり。
 原告:上申書(釈明処分)
 練馬区:準備書面(1)、証拠説明書(1)

 

🔶裁判長より

練馬区の準備書面に対して原告より「求釈明」の申し立てがあった。具体的には以下の3点について再度説明が求められていると理解している。次回、これらについての説明を、裁判所からも要請する。
①    変更前地区計画の高さ制限はどういう位置づけのものであったのか
②    変更前地区計画において、高さ制限を要綱で緩和するという方法を取ったのはなぜか
③    今回の高さ制限撤廃についてどのような議論がなされたのか

🔶原告代人弁護士より

裁判長のご指摘に加え、変更後の地区計画で高さ制限について例外が設けられた理由についても明確な説明がなされていないので、練馬区にはあらためて釈明を求めたい。

※上申書(釈明処分)及び練馬区の準備書面1、証拠説明書1は以下のボタンから

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次回、第3回口頭弁論は、2023年2月7日(火)13時30分より703号法廷で行われます。

【弁護団からの解説】
 裁判終了後、703号法廷と同じフロアの別室で、弁護団から以下のような解説がありました。

 

🔶本日の裁判について

本案について、争い方に前訴と大きな変化はありません。
最大の争点は高さ制限の撤廃ですが、1週間前に練馬区より、その前提となる地区計画変更の都市計画決定を行った理由を説明する「準備書面」が届きました。
練馬区は、地区計画の変更は高さ制限撤廃のためではないとし、地区計画変更の理由として以下の3点を主張しています。
①    補助132号線の整備が完了したこと
②    商店街通りの街並み整備計画の検討
③    西武池袋線の連続立体高架の完了 
これを受け弁護団は、裁判所に対して「求釈明申立書」を提出しました。その内容は、「練馬区の釈明は従来と変わらない内容であり、なんら高さの最高限度撤廃の説明になっていないので、この点についてきちんと主張するよう、裁判所から練馬区に問いただしてもらいたい」というものです。 
今日の期日で、裁判長は練馬区に対し、先に示したように①変更前地区計画の高さ制限はどういう位置づけのものであったのか、②高さ制限を要綱で緩和するという方法を取ったのはなぜか、③今回の高さ制限撤廃についてどのような議論がなされたのか、という3点について回答するよう具体的に要請しました。裁判所としてもこれらの点について問題意識を持っており、かつ、現状練馬区が説明できていないと認識していることを明確に示しました。この3点はまさに我々が知りたいところでもあり、特に3点目の「今回の高さ制限撤廃についてどのような議論がなされたのか」についてはぜひ聞きたい、答えが欲しいところです。さらに、「今回の高さ制限について例外が設けられたのはなぜか?」という我々の問いについても納得できる回答は得られていないので、この点についての説明も求め、裁判長も理解を示してくれました。今日の裁判は、前回裁判所から出された宿題に対して練馬区は及第点を得られず、裁判長は我々の問いについて回答するよう、より具体化した形で再度練馬区に宿題として課してくれたというところです。
なおもう一点、原告適格の問題が上がっていました。地権者原告については疑問の余地はありませんが、被告東京都は、周辺住民の原告の方々についての適格性を問題にしています。原告適格の問題はこの訴訟の中心的な争点ではありませんが、これについても、我々は今後きちんと対応していきたいと思っています。

あらためて、今回の求釈明を裁判所が行ってくれたことには大変大きな意義があると考えています。
我々の「地区計画変更が違法である」という主張の中心にあるのは、変更の必要性の有無であり、これまで練馬区は高さ制限変更の必要性については全く説明をしてきませんでした。今日の裁判所からの求釈明で、練馬区はどういう必要性があると考えてこの変更を行ったのかを主張するよう求められ、もうのらりくらりと逃げることは許されなくなりました。また、裁判所としてもこの点に関心を持っており、きちんと話を聞き判断していこうという姿勢が見えたことに、我々としてはよい感触を持っています。次回練馬区の主張がなされれば、ようやく具体的な議論に入れるわけで、弁護団としては相手の主張にきちんと反論し、「この訴訟を勝ち切る」という気持ちでいます。     
練馬区の主張がどのようなものか、大いに関心を持って待ちたいと思いますし、みなさんにもぜひ、次回口頭弁論期日に注目していただきたいと思います。引き続き、ご支援をよろしくお願いいたします。


                                                 以上

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