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【第1次】裁判レポートNO.3
「石神井まちづくり訴訟」の第3回口頭弁論が終わりました

2021年7月8日木曜日、霞が関の東京地方裁判所第703号法廷で「石神井まちづくり訴訟」の第3回口頭弁論が行われました。傍聴は、コロナ感染予防のため前回同様に通常の半数に制限されていましたが、今回も多くの「サポーターズ」のメンバーや支援者の方が詰めかけて下さいました。ご参加くださったみなさん、ありがとうございました。
以下に、傍聴とその後の弁護団からの解説の内容を簡単にまとめています。 

         

【第3回口頭弁論】 東京地方裁判所703号法廷にて
🔶11時30分開廷

裁判官入廷。異動により裁判長が交代。
被告東京都と練馬区から、都市計画決定および組合設立認可の違法性に対する認否・反論として、それぞれ提出された。
原告代理人弁護士からは、設立認可の差止請求との関係で「重大な損害要件」を満たしていることについて、追加主張を記載した準備書面と原告の「陳述書」を提出。

🔶裁判所より

被告らの本案前の主張(処分の蓋然性、重大な損害)について、原告に再反論してもらい、今後の進行を考えたい。
原告の提出は8月末を締め切りとする。

 

    ※「訴状」、被告練馬区と東京都の「準備書面」は以下をご覧ください。


 



  

🔶原告代理人弁護士から

今後の進行についての確認であるが、
これまでの裁判体は、被告らに対して本案の認否・反論するように指示しており、内容面について審理に入る姿勢を示していたと認識しているが、その方針に変更はないか。
 ➡ 裁判所の返答
   処分の蓋然性・重大な損害について検討したうえで今後の進行を次回相談させてほしい。

  

次回、第4回口頭弁論は、9月9日(木)11時30分より 703号法廷で行われます。

 

【弁護団からの解説】 弁護士会館508号室にて

 

裁判終了後、地裁向かい側の弁護士会館に移動し、弁護団による説明が行われました。

🔶裁判のこれまでの流れ

▷東京地裁に提訴(2020年12月17日)

練馬区が都市計画決定した当日に、地区計画変更の違法性を問う訴訟を東京地方裁判所に提起した​。

▷第1回口頭弁論(2021年3月2日)

・被告練馬区・東京都の答弁~地区計画変更の違法性に関する反論は一切なく、訴訟要件(処分性、処分の蓋然性)が欠けているので、反論の必要はないとした。

・原告の反論~練馬区長はすでに区報で、令和3年度中の事業認可を目指すと明言。処分の蓋然性は存在している。

▷第2回口頭弁論(2021年4月27日)

・原告の反論~練馬区の主張のうち処分性を否定する部分、東京都の主張のうちの処分の蓋然性を否定する部分について反論した。仮に処分の蓋然性がないとして却下された場合、年度末の組合設立認可を受けて改めて訴訟を提起しなけらばならない。判決までに立ち退きが進行し、違法でも現状を追認する「事情判決」のおそれが生じてしまう。権利の実効的な救済のために、処分の蓋然性を認めるべき。

●裁判後の弁護士による解説●

裁判所は、被告東京都と練馬区に対し、中身についての反論をするよう指示。これは、裁判所が処分性または蓋然性について認め、門前払いせずに内容面(本案)の審理に入ることを表明したことになり、弁護団としては第一関門を突破して違法性の判断に入ってくれるというメッセージと受け取っている。また原告側の進行を急ぎたいという意向に対して、裁判所でも一定の配慮をしてくれる感触が得られ、事業のスピードに間に合うように審議、判決が進む可能性が出てきた。

▷第3回口頭弁論(本日2021年7月8日) → 前述

🔶被告側の「準備書面」=「答弁書」についての解説

被告練馬区は地区計画の違法性を否定。東京都はこれを援用した形である。

練馬区の「答弁書」では、①地区計画変更の必要性=高さ制限の変更の必要性、②景観計画との整合性という主な2つの論点について、合理的な説明はなされておらず、論点をすり替えた、中身のない反論である。

弁護団としては、被告から違法性に関する主張が出たので、それに対してきちんと反論していく。

みなさまにも、この答弁書に関するご意見・疑問点などをぜひお寄せいただきたい。

 

★参加者からの今後の裁判の見込みについての質問に対する弁護団からの回答

一般的には、このあと3回ほどの口頭弁論を経て早くて3月か4月に判決がでる見込みだが、勝利判決が出ても、それだけでは事業は止まらない。控訴の可能性もあり、判決が確定しなければ事業は止まらない。だからこそ、できるだけ長く内容面での審議審理期間を取るため、早いタイミングで差し止め訴訟を起こしている。一方行政側も、いったん違法判決が出れば、無視して事業を進めることはしにくいと思われ、無理やり進めることへの抑止力になると期待している。

弁護団としては今後、地裁判決で望ましい判断が出たタイミングで「執行停止」の訴訟を起こすのが適当と考えている。  

以上

PDFファイルはこちらから →

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