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【第2次】裁判レポートNO.1
第2次「石神井まちづくり訴訟」の第1回口頭弁論が行われました

2022年10月20日木曜日、霞が関の東京地方裁判所第703号法廷で第2次「石神井まちづくり訴訟」の第1回口頭弁論が行われました。
 2020年12月9日提訴の第1次訴訟は、違法性の部分についてはなんら判断されず、「争うのが早すぎる」という1点のみで2021年11月18日、「却下」の判決を下されました。石神井公園駅南口西地区市街地再開発組合の設立認可が申請されたのを受け、2022年8月1日、原告団は、東京都を被告として「組合設立認可の差止」を求めて再提訴。9月16日、組合設立が東京都により認可されたため、提訴内容を「認可差止請求」から「認可取消請求」に切り替え、この第2次訴訟に挑んでいます。
コロナ下での人数規制がなくなり、傍聴席は通常数になりましたが、今回も多くのサポーターズメンバーや支援者の方が席を埋めてくださり、原告団、弁護団とも大変勇気づけられました。ご参加くださったみなさん、ありがとうございました。引き続きよろしくお願いいたします。
 以下に、傍聴とその後の弁護団からの解説の内容を簡単にまとめています

 

       

【第1回口頭弁論】  東京地方裁判所703号法廷にて
🔶13時30分開廷

裁判官入廷。
まず原告・被告双方から提出された準備書面の確認が行われた。提出書面は以下のとおり。
 原告:訴状、訴えの変更申立書
 被告(東京都):答弁書、準備書面(1)

🔶原告による意見陳述

最初に地権者原告より、事前に何の説明も承諾もない中、突然に再開発計画を知らされてからこれまでの経緯、合意形成のないまま推し進められようとすることへの憤り、不安などを訴えた。続いて原告団団長が、都市計画専門家でもある住民の立場から事業の違法性、住民主体のまちづくりへの思いなどを訴えた。

🔶原告代理人弁護士による口頭弁論
この訴訟は「都市計画決定」、「再開発組合設立認可」、「権利変換計画認可」の3点がポイントと考える。2020年12月9日の「都市計画決定」に対して原告団は取り消しを求めて即日提訴したが、時期尚早として却下された。2022年8月1日の「再開発組合設立認可申請」を受けて今回「認可差止請求」の第2次訴訟を提起し、9月16日に認可が下りたことを受けて「認可取消請求」に切り替えている。3番目に「権利変換計画認可」があるが、ここに至る前に、ぜひとも違法性に関してきちんとした議論がなされ、正当な判断がくだされるようお願いしたい。

 

次回、第2回口頭弁論は、12月20日(火)15時30分より703号法廷で行われます。
 

【弁護団からの解説】
 裁判終了後、703号法廷と同じフロアの別室で、弁護団から以下のような解説がありました。

 

🔶本日の裁判について

今日は大勢の皆様が傍聴に来てくださり、感謝申し上げます。
訴訟の状況について簡単にご説明します。再開発の都市計画決定をしたのは練馬区ですが、これは処分性がないということで争えないので、次のアクションとして、東京都が行った「再開発組合設立認可」が違法であることを争うのがこの訴訟の大きな主眼であり、まさに今日始まりました。提訴時は「認可差止」を求めていましたが、認可がなされたので、訴訟内容は「認可差止」から「認可取消」に切り替えています。
被告は形式的には東京都ですが、説明責任があるのは、高さ制限を一方的に外すという地区計画変更の都市計画決定を行った練馬区です。そこで東京都を被告として訴えると同時に、練馬区について「訴訟参加の申立て」を裁判所に対して行い、これが認められました。ですので、今日の被告席には、被告である東京都と、参加人である練馬区の指定代理人が出席していたわけです。
東京都の答弁書の内容は大きく分けて二つあります。一つは原告適格の問題で、地権者以外の原告には原告適格がないという主張。もうひとつは本案の違法性についてですが、東京都は具体的には何も言っておらず、参加人である練馬区の主張を待って、必要があれば東京都としても主張するというスタンスです。今大事なのは、地区計画変更の違法性について練馬区にきちんと反論させることなので、弁護団としては、一番重要な地区計画変更の違法性についてきちんと審議し、判断してもらうことに注力していきたいと考えています。
 再開発組合の資料によると、来年4月に「権利変換計画認可申請」を予定しており、大変急ピッチで準備を進めているといえます。我々としては、建物が壊されて取り返しのつかないことになる前に、この訴訟についての裁判所の判断がなされるよう、迅速に審議を進めてもらうことが重要と考えています。時間との戦いという面もあり、どこかのタイミングで「権利変換計画」の「執行停止」を求める必要も出てくるものと考えています。
今日の岩田さんの意見陳述は大変すばらしく、我々も感銘を受けました。これまでの経緯がわかりやすく述べられ、また地権者の切実な思いがよく伝わりました。最初は下を向いていた裁判長が、途中から顔を上げて岩田さんの話をきちんと聞こうという姿勢が見え、裁判長にもすごく伝わったのではないかと感じています。裁判においては裁判長が事案のポイントがわかっていることが非常に重要ですが、岩田さんの意見陳述を聞いて裁判長は、この事案を迅速にきちんと判断しなくてはいけないという姿勢をもってくださったのではないかと思われ、第1回口頭弁論期日としてはすごくよかったと思います。今後は、被告の違法性に関する主張に対してどのように反証していくかが重要で、原告のみなさんと協議しながらしっかり進めてまいります。今後とも応援よろしくお願いいたします。

  

🔶傍聴参加者とのQ&A

Q:今回の裁判長はどのような判例を出している人か。今後の見通しはどのようなものか。
A:一般論でいうと東京地裁の行政部の裁判長で市民の立場に立った判決を期待できる人は多くない。今日の意見陳述を踏まえてどのように判断されるか、見守っていきたい。
Q:次回口頭弁論は12月20日だが、その後のスケジュール感は?
A:通常のスケジュールでは2か月ごと、短くて1か月半で次の公判が開かれ、反論、再反論、再々反論と重ねていくと、どんなに早くても口頭弁論終結は6月頃になるかと思われる。ただ組合設立認可がかなりずれ込んだので「権利変換計画認可申請」も遅れる可能性がある。認可申請から通常は審査に2~3か月かかるが、申請が出た時点で「執行停止」の申し立てを行うことも視野に入れている。「執行停止」が認められるには「本案に理由がありそうだ」と思ってもらうことが必要で、「執行停止」を求めることは重要な局面となる。                    

                                                 以上

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