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【第1次】裁判レポートNO.2
「石神井まちづくり訴訟」の第2回口頭弁論が終わりました

2021年4月27日火曜日、霞が関の東京地方裁判所第703号法廷で「石神井まちづくり訴訟」の第2回口頭弁論が行われました。
傍聴はコロナ感染対策として前回同様、通常の半数の26人に制限され満席でしたが、今回も、数人を除いて「サポーターズ」や「石神井まちづくり訴訟」の支援者のみなさんと思われました。傍聴にご参加くださったみなさん、ありがとうございました。
以下に、傍聴とその後の弁護団からの解説の内容を簡単にまとめています。         

 

【第2回口頭弁論】東京地方裁判所703号法廷にて
🔶15時30分開廷
裁判官が入廷すると、静かに一同「起立、礼、着席」。
原告代理人弁護士から事前に提出された「準備書面」の確認が行われた。
「準備書面」の内容は以下のとおり。

①被告練馬区の答弁書(令和3年2月24日付け)のうち、再開発に関する都市計画決定の処分性を否定する部分についての反論
②被告東京都の答弁書(令和3年3月2日付け)のうちの組合設立認可が行われる蓋然性を否定する部分についての反論
③本訴訟の進行について、裁判所に対し、被告らが本案への認否・反論を行うよう指揮を求める

 


 


    


  

🔶原告代理人弁護士から

準備組合の総会資料によれば、2021年度中の組合設立認可、2022年度中の権利変換計画認可を予定している。このとおり行けば、早ければ2022年4月には立退きが始まることになる。他方、都市計画決定の処分性と組合設立認可の蓋然性のいずれも認められなければ、1年後に組合設立認可の取消訴訟を改めて提起し直さなければならない。行政訴訟の標準的審理期間が16か月を超えることを考えれば、判決が立退き開始に間に合わず、違法でも処分を取り消さない「事情判決」が出てしまい、権利者の法的権利救済がはかられなくなる。権利者の実効的救済をはかる意味から、早期に本案の審理に入っていただきたい。

  

🔶裁判所より

被告東京都と練馬区には、次回までに、本案に対する認否・反論をお願いしたい。
準備書面は6月末締め切りとする。

 

次回、第3回口頭弁論は、7月8日(木)11時30分 703号法廷で行われます。

 

【弁護団からの解説】

 

裁判は15分ほどで終了しましたが、裁判官と弁護士との間で何が話されていたのか、どういうやり取りだったのか、ほとんどの人が「???」でした。
そこで急遽、弁護士のみなさんが、裁判所内の空きスペースで当日の裁判について、以下のような解説をしてくださいました。

 

我々はこの訴訟で行政処分についての取り消しを求めているが、前回、被告側は、「処分性がない」「蓋然性がない」ことのみを言い、訴訟の内容面である地区計画変更の違法性についての認否をしてこなかった。内容に入らずに訴訟を入り口で却下すべきだという主張だ。これに対し、今回我々は、練馬区による都市計画決定が処分性を有すること、東京都が市街地再開発組合の設立を認可する蓋然性があることについて補充の主張をした。

裁判所が「処分性がない」「蓋然性がない」と判断したのであれば、おそらく門前払い判決、つまり訴訟は不適法なので却下という形になった。今回の期日では、そうはならず、被告に認否・反論するように指示したのは、裁判所が処分性または蓋然性についてどちらか一方または両方を認め、内容面(本案)の審理に入ることを表明したことになる。弁護団としては第一関門を突破して違法性の判断に入ってくれるというメッセージとして受け取り、喜ばしく感じている。

また、裁判が長引いてその間に事業が進めば、たとえ違法との判決が出ても、事情判決(違法だったかもしれないが、現状が進んでしまっていて元に戻すのは難しいので、違法であることは宣言するが効力自体は認める)となる恐れがあり、事業が止まらない可能性もある。この点についても、原告側の進行を急ぎたいという意向に対して、裁判所でも一定の配慮をしてくれる感触が得られ、事業のスピードに間に合うように審議、判決が進む可能性が出てきたことも大きい。
 

最後に弁護士のみなさんから……
「法廷は残念ながらドラマっぽくはなりません(笑)。何が行われているかよくわからないとは思いますが、毎回このような説明を行いますので、これに懲りずまた傍聴へのご参加をよろしくお願いします。」「このような状況下でこれだけ多くの方が集まってくださるのは、私たちにとって本当に力になります。」とのことでした。

                 
以上で第2回口頭弁論のレポートを終わります。

 

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